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黒子のバスケ*Short Stories2

第27章 告げられない想い/高尾*宮地


<高尾>

まだ練習にも慣れていない頃、マネージャーとして入部した彼女。

どちらかといえば目立つ方じゃなかったし、最初は正直そこまで興味はなかった。

でも何でも一生懸命で、笑った顔が可愛いな、なーんて思ったわけ。

話してみれば実際良いやつだし、俺と真ちゃんのやり取り見てケラケラ笑ってくれるのも嬉しかった。

気付けば彼女の姿を探していた6月。

彼女が「特別」だと自覚した7月。

距離を縮めようと必死だった8月。

「ってさ、名前可愛いよねー!ちゃんって呼んでいい?」

「えっ…!……うん!」

あの一言も相当勇気振り絞ったぜ、俺。

「チームメイト」っていう関係を吹き飛ばしたくて。

隣でずっと笑っていてほしいなって思って。

ちゃんを俺だけのものにしたくて。

頑張った甲斐あって、ちゃんから言われた言葉はすげぇ嬉しかったの今でも覚えてる。

「私、部員の中で高尾くんが一番話しやすいかも。」

確かにちゃんから声をかける部員は俺か、俺と一緒にいる真ちゃん。

自惚れかもしれないけど、他のやつといる時より楽しそうにしていると思ってた。

「高尾と付き合ってるんじゃねぇの?」って先輩に何回か言われたのもめちゃめちゃ嬉しかった。

恋人同士に見えるんだな、って。



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