第23章 好きで、好きで、好きで*黄瀬*
いつもより少し遅くなった帰り道、今日も最後まで付き合ってくれたっちを家まで送り届ける。
「っち、今日は色々ありがとうっス。」
「何が?」
小首を傾げて、疑問符を浮かべてる顔もまた可愛くて。
思わず身体を屈めて、左頬にキスをした。
「…もー!人前でそういうことしないでよ!」
キスされた頬を手で押さえて、真っ赤な顔してっちは俺に肩をぐいっと押した。
「えー…。じゃあもし俺がそういうこと全くしなくなったらどうっスか?」
少し考え込んで、空を見上げて頭の中でイメージしてみて、っちの口から出た言葉は。
「…それは寂しいからやだ。」
っちはばつが悪そうに俯いて、頬を赤く染めている。
「もうなんなの!っち可愛すぎるんスけど!」
どんな顔も、どんな仕草も、可愛くて愛しくてたまらない。
この気持ちが抑えられなくて、っちの顎を持ち上げて、その小さな唇に俺の唇を重ねた。
唇が離れると、っちはふわりと笑みを浮かべて口を開いた。
「…涼太、好き。」
「っち俺をキュン死にさせないで!」