第21章 旦那様は王様です*青峰*
食後にテレビを観ている大輝に、林檎をデザートに出した。
「明日お休みだね。何するの?」
「また寝るかな。」
あれだけ寝てたくせに、また一つ大きな欠伸をする大輝に思わず呆れてしまった。
「またぁ!?それ以上大きくなってどうするの?」
「…冗談だって。どこか行きたいとこあるか?」
大輝はしゃくしゃく、と軽快な音を立てて林檎を頬張りながら、目線だけ私の方に向けた。
「んー……一緒にいられればどこでもいい。」
ちょっと目を見て言うのは恥ずかしいから、伏し目がちになって、ぽそりと呟いた。
大輝の仕事は忙しいから、一人で待つ時間も長い。
一緒にいられるなら、と言うのは紛れもなく本当の気持ち。
「…バーカ。」
大輝は私の頭を手で押さえて、自分の方に向けた。
そして力強く引き寄せ、唇を重ねた。
何度も何度も啄むように繰り返されるキスに、意識を持っていかれそうになる。
「あー、我慢出来ねぇ。」
その一言が大輝の口から出たら、もう逃げられない。
長い長い夜が始まる。
我が儘気まま俺様の旦那様。
振り回されてしまうけれど、それよりも隣にいられる幸せの方が大きいから。
これからも、ずっとずっと一緒。