第21章 旦那様は王様です*青峰*
朝の家事も一通り終えて、ソファに座ってワイドショーをぼーっと眺める。
そろそろ帰ってくる頃かな。
すると、ガチャンと鍵を開ける音が聞こえてきた。
ソファから飛び上がり、玄関へと続く廊下へ出た。
「大輝、お帰りなさい!」
「おせぇぞ、。俺が帰ってくる気配くらい読み取れ。」
まぁ、なんと不可能なご要望なの。
傍若無人な我が家の王様。
「あー…疲れた。ダリィ…。」
大輝は上着と荷物を私に預けると、夜勤明けの重い身体を引きずって寝室へと直行した。
地域の安全をお役目も一旦お休み。
夜勤明けの時は、こんな感じで夕方まで何があっても起きない。
「あれ?」
預けられた荷物の中に、コンビニの袋が混ざっていた。
週刊誌やコーラ、テリヤキバーガーの中に、紙パックの紅茶。
私の好きなその紅茶に新作が出ると、何も言わなくても買ってきてくれる。
そんな些細なことで、何だか嬉しくなってしまう私は全く単純。
青峰家家訓その一。
「俺が帰った時は玄関で出迎えろ」