白昼夢第2幕【太陽の出づる場所】月島明光[®18]
第3章 CARELESS-軽率な-
ノートを捲ると
姫凪の可愛い字と
震えてお世辞にも
読み易いとは言えない字が
綴られていた
内容は他愛ない事
そして何度も出てくる俺の名前
クイ。服を引かれる感覚で
顔をあげると
ペンを持ってノートに手を伸ばす
お婆ちゃん
慌ててノートを差し出すと
一枚破って
震える手で文字を書く
【姫凪を宜しくね
あの子を守ってあげて】
ガタガタと歪んでる文字で
【ありがとう
君が居てくれて良かった】
こう綴られてペンが止まる