白昼夢第2幕【太陽の出づる場所】月島明光[®18]
第7章 GRAVE‐刻み込む-
この時無理矢理にでも
姫凪を此処に戻してたら
姫凪の苦しみは
少しは少なかったのに
「なぁ、蛍。今度さ
姫凪の所に遊びに行こうか?
んで、また三人で遊ぼうぜ?」
兄ちゃんがニコリと笑いかける
「うん…。気が向いたら、ね」
兄ちゃんが執拗に
僕を誘う理由なんか分からなかった
どこかで
二人の世界を作ってるんだって
思ってた
僕の知らない
アレコレをしてるって。
その世界が壊れて兄ちゃんの
心も傷だらけだって
知らなかったんだ
だから"うん"なんて返事をしたけど
一緒に行こうなんて
思わなかった