第3章 些細な変化
「チョット。起きなきゃ
置いてくけど?」
何度話しかけても
間抜けな顔のまま寝続ける
布施の鼻を
思いっきり摘んだ
『う…いぢゃぁ!!』
昨日の色気とは無縁の声が響く
「オハヨ。いつまで寝てんの?」
『あ、蛍くん早いね!?』
「布施が遅いんだよ
早く着替えて。あ、
着替えはアニキの部屋でしてね」
布施を引き起こす
『あ、はい。じゃ…』
「なに?どっか悪いの?」
僕の手を素早く離して
出て行こうとする背中に話しかける
『なにがー?』
布施が振り返って笑う
「…別に。行けば?」
まだ寝ぼけてんのかな?
ホント子供なんじゃない?
ため息をついて自分も着替えて
リビングに向かった