第2章 過去
でも一人で居ると
ヤッパリ耐えれるものじゃなくて
色んな事思い出しちゃう
最後に聞いた両親の会話とか
起きたら大きな部屋に一人で
傍に誰も居なくて
泣いても誰も来てくれなかった事とか
もうさっき起こったことみたいに
感じて怖くなって
私は蛍くんの部屋のドアを叩いてた
「ナニ?」
中から不機嫌な蛍くんの声
『お願いが…あって』
「…無理。アニキの部屋いけよ」
そうだよね?普通。
でも蛍くんの声聞いたら
安心できる気がしたの
『イヤ………』
「じゃあ送るから帰れよ」
帰っても一人なの
明光くんも朝には居なく
なっちゃうの
帰りたくない…
明光くんの部屋にも行きたくない
やっと開いたドアの中から
出てきた蛍くんは
いつも通りで
でも私は
いっぱいいっぱいで
蛍くんの冷たい手を
ギュっと握る