第2章 過去
蛍くんが出て行って
明光くんがお風呂から帰ってきて
携帯見ながら
済まなそうに頭を掻いた
『明光くんどーしたの?』
「姫凪…悪ぃ…俺明日
かなり早く家出なきゃダメっぽい」
ご飯の時にかかって来たのは
仕事場の同僚で
何度も断ったけど
仕事を押し付けられたみたい
『じゃあ…姫凪が
起きたら居ないの?』
「姫凪起こして行っても
良いけど身体辛いだろ?」
『…うん』
「今から送って行っても
家誰も居ないんだろ?」
『うん…』
明光くんが困った顔してるのは
俯いててもわかる
ワガママばっかりで
振り回してるのに
これ以上迷惑かけるわけには
いかない。
『姫凪大丈夫だよ!
そろそろ一人で寝る練習しないとね
ソファー借りてい?』
なるべく明るく笑ってみる