第2章 過去
『蛍くーん!ごはーーん!』
お風呂から上がった蛍くんに近づく
「人の家なのに違和感なさすぎ」
『小さい時から来てるもん(笑)』
「そうそう!姫凪も
もう家族みたいなもんだよ」
明光くんのその言葉は嬉しくて
蛍くんにも家族だって言って欲しくて
『だって♫ねぇ!姫凪家族だって♫』
と蛍くんのTシャツを引っ張った
「【家族みたい】は家族じゃないでしょ
それよりお腹空いたんだけど」
けど、その腕は振り払らわれて
蛍くんは離れて行った
『家族でいーじゃん。
姫凪家族居ないもん…』
わかってるけど
そんな冷たく切り捨てなくても
良いじゃん………
エプロンを握りしめ
涙を堪えてると
「姫凪、飯〜♡早く♫」
明光くんが
いつもと変わらないトーンで言って
後ろから抱きしめてくれた