第1章 アニキの元カノ
「1人で大丈夫だって言ったくせに…」
『だって…明光くん明日早いもん…
姫凪起きたら居ないでしょ?』
「だから蛍のとこで寝ようとしたのか?」
頷く姫凪に
「そりゃ蛍も困るって…
蛍もゴメンな?」
そう続けて、僕にも頭をさげる
「アニキに謝ってもらう
義理はないね」
やっぱりアニキの代用だった
わかってたはずなのに
イライラして仕方ない
『姫凪やっぱり
帰るよ!送らなくてもいいから!
明光くん。蛍くん。
今日はなんかゴメンネ!!』
布施が急にアニキから
離れて歩き出した
「姫凪?!急に何言ってんだ?」
アニキが慌てて追いかける
『大丈夫なの!!姫凪なんか
1人で寝たい気分になっちゃった!』
いつも通りとは程遠い空元気
止めるアニキを拒否る手
その手を僕は握って
「散々引っ掻き回しといて帰るとか
何様のつもり?
寝るんでしょ?僕の部屋で。
さっさと入れよ」
姫凪を部屋に引き込んだ
「おい!蛍!姫凪は
俺の部屋で…」
「ご指名されたの僕だから。
アニキ朝早いんだろ?早く寝たら?」
ドアを閉めて
姫凪をベットに放り投げる