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白昼夢第1幕【三日月の満たし方】月島蛍[®18]

第1章 アニキの元カノ


「泣いてたの?」

『えー?なんで?姫凪が
泣くわけないじゃーん!』

わざとらし過ぎる
僕はそんな事で騙されてあげるほど
優しくないんだよ

「涙の跡拭いきれてないし
目は真っ赤だしチョット鼻も赤いし
これで泣いてなかったとか
絶対ないよね?」

『…泣いてない。帰りたくもない』

「帰りたいか、帰りたくないかは
聞いてない」

『…蛍くん…』

布施が僕の手を握る
体温の高い子供みたいな手

「何してんの?離して」

とか言いながら
振り払えない

『…帰りたくない…』

「じゃあ大人しくアニキの部屋に
行って寝てきたら?」

『ヤダ…』

「じゃあどーすんの?」

『蛍くんと寝る…』

余りに意外な申し出に
思考回路は一気にフリーズ直前にまで
追い詰められる
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