第18章 千代に八千代に………
走って跳んで止めて
止められて
熱くてはげしくて
苦しい戦いが
幕を下ろす
セットカウント 3-2
勝者 烏野高校!!
歓声がこだまする体育館
涙がドバッと溢れて
止まらない
「あれ!うちの弟なんです!
あれ メガネの!」
知らないオジサンにまで
自慢する明光くんに
『蛍くんが勝った!!
凄いね!カッコイイね!
ほんと…良かった……』
ギュッと抱き着く
「うん。カッコイイ!
ホント…かっこ良過ぎ……
良かった…」
ありきたりな感想
ありきたりな言葉しか
浮かばない
「蛍の所にお祝い
言いに行くか?」
明光が私の手を引く
ホントはねスグに
駆け寄って
おめでとうって言いたいよ
あの輪の中に
飛び込みたい
でも____。