第1章 アニキの元カノ
【オカシイボク】
「離れてくれない?凄い…その…」
続きが出てこない?
シャツぶかぶかだから
自然と萌え袖?みたいになって
鎖骨とか胸元とかの
見え方もちょっとエロいんだよ
誘ってんの?アニキだけにしててよ
それに僕はキミなんか…
『蛍くん…?』
そう思ってるのに
ヨコシマな思いが脳裏をよぎる
「アニキだけじゃ足りないの?」
『え?なんのこと?』
ま、当たり前か
コイツはその気なんかない
でも、そこがまたムカつく
「思春期の男子なめてんの?
いつまでもこのままだと
その内僕に食べられるよ?」
ちょっと脅すつもりで
布施を壁に追いやった
『蛍くん?痛い…んだけど…?』
「痛いの嫌い?なら…優しくして
あげようか?」
まだ濡れた布施の髪に
手櫛を通せば自分と同じ
シャンプーの匂いがして
自分の服を着る布施に
何かゾクリとするような
感覚を背中に受けた