第1章 アニキの元カノ
「じっとしててね?」
小さな布施に合わせるように
背を屈めて顔を近付ける
近くなった顔は真っ赤にそまり
小さな身体はビクビクと震えている
僕はオデコを思いっきり布施に
ぶつけた
『…いっ…たぁ…!』
「…キミ、バカでしょ?普通
ホントにじっとしてる?」
『だって蛍くんが!しとけって…』
僕だけじゃなくて誰に言われても
してるんじゃないの?
「バカの相手疲れた。僕寝るから」
『え…うん…』
「帰りたくなったらアニキを起こしてね?」
『うん………』
布施から身体を離すと
布施が僕のシャツの裾を掴んだ