第9章 羅睺
彼が…羅睺??
大凡そうは見えない
ニコニコと笑い
僕に歩み寄ってくる
「ねぇ?お姉ちゃんのお友達??」
「え、あぁ。月島、蛍。」
「あ!そうそう!蛍くんだ!!
ごめんね!お姉ちゃんは
僕が呼び戻しちゃったんだ!
日本に久々に帰ったのに
家にお手伝いさんしか居なくて
寂しくて…ゴメンナサイ…
寝てるんだけど…起こしてこようか?」
情けなく眉を下げて
俯く顔は
姫凪がさみしい時に
する顔と被って
「いや…帰った理由が分かれば…
…また姫凪が起きたら
迎えに来る…」
取り戻せって言われたのに
一瞬心が痛んだ