第1章 アニキの元カノ
『蛍くーん!ごはーーん!』
お風呂から上がったら
エプロンをつけた姫凪が
キッチンから出てきた
「人の家なのに違和感なさすぎ」
『小さい時から来てるもん(笑)』
「そうそう!姫凪も
もう家族みたいなもんだよ」
『だって♫ねぇ!姫凪家族だって♫』
僕のTシャツを引っ張る
「【家族みたい】は家族じゃないでしょ
それよりお腹空いたんだけど」
腕を振り払い椅子に座って髪を乾かす
『家族でいーじゃん。
姫凪家族居ないもん…』
姫凪が急に俯いてエプロンを
握りしめる
あ、やばい。地雷だった。