第3章 些細な変化
「髪チャント乾かしなよ
風邪引いたら一緒に寝ないよ?」
慌てて距離を置き
布施の持ってたタオルを
頭に被せた
『えー!?それはイヤ!
チャント乾かしまーす』
ガシガシと乱暴に頭を往復するタオル
「色気も何もない拭き方(笑)」
『え?なぁに?』
ボサボサになった頭で
布施が僕を見上げる
小さい頃と同じ拭き方に
同じボサボサ頭
なんかやたらホッとした
さっき見た大人びた布施は
きっと何かの間違いで
コイツはいつまでも
僕にまとわりついてくる
僕のよく知ってる布施なんだ
こんな子供みたいな子と
一緒に寝た所で
僕の理性が崩されるわけない
堪えれるに決まってる
アニキとも別れてるんだ
もう何もあるわけない
そう思えば大丈夫だ。うん。