第3章 些細な変化
シャワーを浴び終わって
リビングに戻ると
布施はもう戻っていて
さっきの位置で
携帯を触ってた
「お風呂入ってきたら?」
『うん。行ってきまーす』
携帯を放り投げて僕の横を
通り過ぎる
置き去りにされた携帯を手に取る
「連絡取ってないんじゃなかったの?」
布施の話からしたら
別れてから取ってなかったはず
じゃあなんで?
昨日なにかあったの?
………まさかね。
昨日は僕も居たわけだし
一緒に寝たのだって
僕なわけだし………
それなのに
なんだろう
遠くだと思ってたアニキの
存在が
すぐ近くに感じて
不安になってくる
そこに嫉妬や独占欲も
重なってるんだ
こんな気持ちのまま
布施を隣に寝かすのは
もしかしたらヤバイんじゃない?