第4章 3年Z組
沖田「ここが屋上でィ。」
冷たい風がひゅうっと顔を撫でる
沖田「さむいか?」
由紀「ううん。大丈夫だよ。...たべよっか」
沖田「おう」
由紀「今日はお弁当はりきっちゃった!食べる?」
沖田「おー、食う食う!って、すげぇ量だな...」
広げられた由紀のお弁当を見て沖田が言った
由紀「えへへ...作り過ぎたかな、やっぱり。」
沖田・由紀「いただきます!」
由紀「おいしい!!」
沖田「たかが弁当になに感動してるんでィ」
由紀「だっておいしいんだもん。久しぶりだし。....って、沖田!それだけで足りるの⁉」
沖田が食べている昼飯は、おにぎりたった二つだった。
沖田「ん?あ、ああ。」
由紀「足りないでしょ!私の食べなさい!ほら!」
沖田「なんだ、母ちゃんみてーだな、お前。」
由紀「いいからいいから。」
由紀「あ、でも沖田のハシがない。」
沖田「んなん、別にいいだろ」
由紀「え?素手で食べる気?」
沖田「ん?んーんぐんぐ?」
由紀が言い終える前に沖田はもうすでにもっさもっさとお弁当を食べていた。
由紀「ーー‼おい!沖田!」
沖田「うまい、うまい」
由紀「あ、ほんとー⁉.....じゃなくて!」
沖田「んー?」
由紀「なんで私のお弁当食べたの⁉」
沖田「え?だって、くれるって言ったじゃねーかィ」
由紀「いったけど!」
沖田「?結局なんなんでィ⁉」
由紀「だーかーらー!なんで間接キスになるのに私のハシ使ってお弁当食べたのってんの‼‼‼‼」
高校3年生久しぶりの登校日、私の叫びが学校中に響いた。