第12章 君の名を(爆豪勝己)
「……これが、私の……本当の"個性"?」
「フン……未知なる力の覚醒、か」
アンニュイな表情で呟いたトコヤミくんの発言には誰もツッコまなかった。あ、この人こういうキャラなんだ。
「クソー!爆豪ばっかりいい思いしやがって!!オイラだって女子と入れ替わったらやりたいことは山ほど…グボッ」
「峰田ちゃん、それは口にしたらダメよ」
騎馬戦のちっちゃいコンビはいろんな意味で個性強すぎるし……
なんかもう、これは夢なんじゃないかと思い始めた頃。
私の意識は見慣れた部屋の中に舞い戻った。
意識が途切れる前、インゲニウムの弟さんが連れてきたヒゲのもっさりした人はいったい誰だったんだろう。