第1章 白雪姫(赤葦)
「…それを聞いて安心しました」
赤葦さんが微笑んだ。
どんな差し入れでも無表情だった赤葦さんが!
いつものクールな表情も格好いいですが、柔らかい笑顔が最高に素敵で惚れ惚れします。
「俺は貴方が思うより臆病で力の無い男です。それでも良ければ…」
「赤葦さん好きです!付き合ってください」
勢いに任せて言ってしまいましたが後悔は無いです。
あれ、赤葦さん。
鳩が豆鉄砲食らったような顔をしています。
「……まったく、貴方は。今日くらい俺に言わせてくださいよ」
頬に添えられる大きな手。
「さん、俺はさんの真っ直ぐな所に惚れました。俺と付き合ってくれますか」
そんな事言われたら……
私の脈拍が!
「う、しっ、心臓が…」
激しい運動は控えるようにといわれているのに。
異常な程早まる脈に、私は胸を押える。
「さん!?しっかりしてください!」
よろけた私を抱き止める逞しい腕。
心配そうに見つめる赤葦さん。
ああ……
「幸せ過ぎて死んでしまいそうです…」
「笑えません!」
ーendー