• テキストサイズ

世界はパラレル【HQ・ヒロアカ短編】

第9章 恋とはどんなものかしら(ファットガム)





「あ、あの…たこ焼き、ご馳走さまでした!お仕事、頑張って、下さい!あとケガとか気をつけて…あ、寒いので風邪も!風邪も気をつけて下さい!…それと、えっと」

言いたい事は沢山あるのに、言葉が出てこない。

「……ずっと応援、してます」


やっとのことでそれだけ言うと、お辞儀して逃げる様に背を向けた。
感情が昂ぶって涙が出そうになったのだ。



頭の中ではずっと否定していたが、これはもう言い訳できない。

私はこの人に、恋をしてしまったのだ。


手の届かない人に。





「待ってや」

後ろから誰かに、腕を掴まれた。


「えっ、」

大きい手、あったかい手。
手が届かないと思った人の手。


振り返る瞬間、スタッフも周りのお客さんの動きも、目の前にいたファットさんの顔も全てがスローモーションに見えた。


「一目惚れやねん……俺と、付き合おてくれへんか?」








ーーーーーーー


その日の夜、各地で活躍したヒーロー達の名が並ぶネットニュースの最新トピックに一つの記事が上った。

[ファットガム、イベント中に大胆告白!!お相手は一般女性!]





-end-
/ 88ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp