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世界はパラレル【HQ・ヒロアカ短編】

第9章 恋とはどんなものかしら(ファットガム)


「ねぇキミ可愛いね!大阪は初めて?」

「あの、はじめてじゃ……ないですが……」

「俺が案内してあげるよ!いいお店知ってるからさ」

「ごめんなさい、わ、わたし、用事が……」

大阪の繁華街、時刻は昼過ぎ。騒ぎの方へ目をやると、ガラの悪い男がお上りさんの女にしつこくナンパをしとるとこやった。
非番の日やけど、こーゆーの放っておけん性質(タチ)やねん。



「おい兄(アン)ちゃん、彼女嫌がってるやろ?放したりぃや」

力任せに肩を掴んで、ニンマリ笑うだけで男は逃げ出した。
ホンマ玉の小せぇ男やな。

「あの……あ、ありがとうございます」


んで、残ったのは俺と大っきい旅行カバン転がした嬢ちゃんの二人やねんけど。

「嬢ちゃんもあんまキョロキョロしとったら、またさっきみたいなのに絡まれるで?あ、道迷ってんならお兄さんが案内したろうか。どこ行きたいん?」

「すみません、人を探していて……ここらへんにいたら会えるかなって思ってたんです」

「へえ、連絡つかへんの?」

「あ、あの、知り合いとかじゃなくて。ファットガムさんっていうプロヒーローの方なんですけど……」

ずっこけそうになるのを寸前で耐えた俺を誰か褒めてくれや。
ちなみにこの時の俺は昨日事件やらイロイロあって、ファットじゃない方の姿やったから嬢ちゃんがわからんのもしゃーないねん。


「よし、人探しなら任しとき!お兄さんこれでも顔は広い方やねん!見ててみ、おばちゃんいつもの!!」

「……アンタ誰や?」

「え、アッ!しもたー!!」

カッコつけて馴染みのたこ焼き屋に声を掛けたのが失敗やった。しかもドヤ顔とか。
ホンマ恥ずかしいとこ見られてしもたなぁ、と嬢ちゃんを見たら……

「……っふ、ふふ」

アカン!

笑った顔、めっちゃ可愛いッ!天使!天使やコレ!!




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