第7章 麻雀(白鳥沢)
立ち上がってビクトリイイイ!!と騒ぎ出す天童。その途端白布がうっかりフタを閉め忘れたサイダーが倒れ、の鞄に掛かり本人は女子と思えない悲鳴を上げる。
何か拭くものをとあたふたする五色に、ティッシュを探そうと不用意に立ち上がり、二段ベッドに頭をぶつけて悶える瀬見。それを避けて五色にボックスティッシュを投げ渡す大平。
その一連の出来事の中で、動じない男が一人いた。
「私の鞄がフルーティーな香りになっちゃったじゃんよ」等とが愚痴を溢し、大平が宥める。
「……なぁ、天童」
騒動が一段落したところでその男、牛島若利は静かに口を開いた。
「俺もロンなんだが、こういう時はどうしたらいい?」
カタン、と倒れされた牛島の手は麻雀内で最強とされる一手だった。
「牛島選手っ頭ハネぇぇぇ!しかもぉぉ役満ッ、国士無双ッ!」
「……マジ?」
呆気に取られる天童。
五色は言葉を失い、ただ口をパクパクと動かしていた。
国士無双という言葉にだけはなんとなく聞き覚えがあった瀬見は大平に説明を請い、五色が悩んだ挙句に捨てた牌が天童、牛島2人のアガり牌だったという事を理解した。
「いや、でもこの場合、誰が勝ちなんだ?」
瀬見の純粋な疑問に今度はが答える。
「工くんから右側の近い人、つまりワカトシくん。更に親の役満だから48000点」
「……持ち点って25000点だろ?」
肯定の意でゆっくりと頷く大平。
「第二回白鳥杯、優勝ワカトシくんーーーーーー!」
東場 東一局、試合終了。
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