第1章 葛藤 × Red。 Vol.1
「ま、誘われなくても行きますけどね?
相葉さんの奢りでしょ?」
「お前ふざけんなよっ!」
…行くんだ(笑)
まぁ…二人っきりだと妙に緊張しそうだし
ニノが居てくれた方がいいのかもしれないな。
メンバーが次々と次の仕事に向かい
俺も、二人と別れて現場へと急ぐ。
“また、会える”
それだけで頑張れる気がした。
予約した店は
時々利用する座敷の個室がある店で
後輩を連れて来たことはあるけど
相葉くんとニノをそこに連れていくのは初めてだった。
時間に余裕をもっていきたいから
仕事を巻いて車を飛ばす。
「よし…まだ来てないな」
先に部屋に通してもらい
深呼吸をひとつ。
メニューを見ながら二人の到着を待った。
「しょーちゃん、お待たせ!」
二人仲良く並ぶ姿に
胸がチクリと痛む。
「二人共、お疲れ!」
相葉くんは俺の正面に
ニノはその左隣りに座った。
「いいお店だねぇ!」
「気に入ってもらえてよかったよ」
またこの笑顔。ホント、好きだわ…
え? 好き?
「翔さん何飲みます?」
「俺、生で!」
「お前には聞いてないだろ!」
「なんでだよ!」
二人の掛け合いに苦笑いしながら
取り敢えず生ビールを3つ頼み
乾杯すると程なくして相葉くんの携帯が鳴り、席を立った。