第1章 葛藤 × Red。 Vol.1
ニノと二人だけの空間に
また違った緊張感が漂う。
カンの良いニノに気付かれないように
なるべく、普通に…
普通に…
「翔さん」
「…何?」
「なんか、いつもと違うね?」
「えっ…そ、そう?」
「今だって相葉さんのことずっと見てたじゃん?」
「だから、見てないって…」
「俺の目は節穴じゃないよ。
昨日のロケで惚れちゃった? 相葉さんに、」
「惚れっ…!」
何言ってんだよ、ニノ。
そんなわけ無いだろ…?
ニノがニヤリと笑う。
そこへ電話を終えた相葉くんが帰ってきた。
「ごめん、ごめんっ!よーし、飲むよー!!」
ハイペースで飲み続け
ほんのり赤くなった相葉くんは可愛くて
これまた目を赤くした、酒の弱いニノと二人
向かいで引っ絡まってて
なんだかなぁ…
暫くするとニノがムクリ、と起き上がって
「そろそろ時間なんで帰ります! 相葉さん、ご馳走さま!」
「えっ、ちょ、ニノ!」
「私ね、忙しいんですよ。
地球護んないといけないんで。」
…ゲームかよ(笑)
「俺どーすんだよぉ!」
「あ。相葉さん?
翔さんに送ってもらって?
じゃ、お疲れ様でしたー」
颯爽と去っていくニノの背中を相葉くんがボーゼンと眺めてる。
そうかと思うと
突然クルッと俺の方に向き直した。
「しょーちゃん?」
「うん?」
「送ってくれる?」
「もちろん。」
この時俺は
心の中でガッツポーズをした。