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誰も知らない。【気象系BL】

第10章 Fall to darkness… 


それからなんとなく
局の廊下で会うと手を繋いで楽屋入りしたり
抱きついてきたニノを抱えたまま歩いたり
ニノとの距離が近くなった気がする

だけど俺に共演女優との噂が出始めた頃から
一切そーゆーことを仕掛けてこなくなって


“元の距離感に戻っただけ”
って思ってた




思い出したんだ
あの時一瞬ざわついた心の変化を









「ごめんっ…」


「どうして…?」


「えっ…?」




「どうして俺にキスしたの、翔ちゃん、」

「どうしてって…」



「代わり…? 彼女の、」

「違っ…!」



そんなんじゃない
ニノはニノだろ



「そっちこそどうなんだよ…」

「え…?」



「なんで拒まねぇんだよ…」


なんだかイラッとした


「嫌だったら拒めよ」


わざと顔を近付ける


「ニノ、」





「嫌じゃ…ないもん、」





寸止めした唇に
今度はニノの方から口付けた
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