第8章 色香 × Green。
寝室のドアがガチャリ、と開いた音で目が覚めた
薄く目を開けると
廊下の電気に照らされたシルエットが一瞬見えて
ドアが閉まるとまた真っ暗で何も見えなくなる
マネージャー…?
にしては身体の線が細すぎる
誰?
戸惑って声を出せなかった
大きな手が
俺の頭を撫でた
あぁ、この手。
「潤くん…?」
「ごめん、起こしちゃった?」
「なんで…?」
なんで松潤がここに居るの?
「また一人で泣いてんじゃないかって
気になってさ
マネージャーにスペアキー借りてきた」
子供じゃないんだぞ。
俺のが歳上なのにさ
でもね
一人だけ仕事を制限されてて
凹んでたのは事実。
「泣いてないよ。
でも、なんか嬉しくて泣きそう」
「なんだよそれ(笑)」
「ふふっ。泣いたら慰めてくれる?」
「慰めないけど
泣き止むまで側にいるよ」
松潤の薬箱のような優しさが温かい。
「…ありがとね、」
暗闇に慣れた目に
松潤の綺麗な顔がハッキリと映し出されて
なんだか少し
ドキドキしていた