第8章 色香 × Green。
「……っ、」
「泣くなって。」
「だってっ…、」
「だって、じゃねーの。
今は身体を治すことだけ集中してればいいから。」
また涙が溢れて
いつしか俺はそのまま眠ってしまって
目が覚めた時には既に朝だった。
毎日見ていたんだ
魘されるような夢を。
ステージに立つ嵐は4人で
俺は遠くからそれを見てるんだ
まるで最初から4人だったように
俺なんて最初から居なかったかのように
それが現実になる気がして怖かった
だけど今日は不思議と
その夢は見なかったんだ
代わりに見たのは
俺を囲んで笑うメンバー達の姿。
『やっと本来の嵐に戻れたね。
俺達5人で嵐でしょ
一人でも欠けたらそれはもう嵐じゃないよ』
そう言って
メンバーみんなが俺を抱きしめてくれる、夢。