第1章 葛藤 × Red。 Vol.1
翌日
楽屋に一番乗りしたのは他でもない、俺で。
ソワソワしてる胸の内を現しているかのように
新聞を開いては閉じて
立ってみたり
座ってみたり
端から見たら
アブナイ人だよな、俺…
なんて
自分で自分をツッコんでみたりして。
そうこうしてるうちに
ガチャリと楽屋のドアが開いた。
「あれ? 翔くん早いね?」
「おはよう、松潤」
「おはよう。
今日って二本目?」
「いや、一本目よ?」
一本目の仕事で
こんだけ早く来るっつーのは不自然だったかな
朝
いつもより早くに目が覚めた。
目が覚めて一番最初に
相葉くんのことが頭に浮かんで
胸がふわっと温かくなった。
中学生の頃から一緒に仕事をしてきて
嵐になってからはいつも一緒で
“どうせまた明日会うし”
“来週会うし”。
会える明日が
来週が
当たり前のようにあって
だから特別
会えることを悦ばしいと思うことなんてなかったのに
“今日もまた、相葉くんに会える”
今朝、起き抜けでそんな風に思った自分が
不思議で仕方なかった。
「おはよー♪」
一瞬、ドキリとした。
声の主に
できるだけ不自然でない笑顔を向ける。
「おはよう。相葉くん。」