第1章 葛藤 × Red。 Vol.1
「櫻井さん、相葉さん。着きましたよ!」
スタッフの声で目が覚めた。
二人してガッツリ眠ってしまっていたようで
気付いたら局の駐車場に着いていた。
「相葉くん、着いたって。」
綺麗な寝顔の横顔に
思わず笑みがこぼれる。
「うーん…。しょーちゃん…?」
まだ眠たげに目を擦りながら
相葉くんがファーッと欠伸をした。
「疲れたろ?帰ったらゆっくり休めよ?」
「うーん、俺、腹減った」
ホントはまだ一緒に居たかったけど
明日は五人で雑誌のインタビューと撮影もあるし
もし良ければ明日仕事終わりに二人で飯食わねぇ?
と提案して解散した。
家に帰ってシャワーを浴びて
酒を飲みながらアテを摘むと
思い出すのは相葉くんと過ごした時間のことで。
薄味だったしらすのパスタも
相葉くんの気持ちがこもっていて
優しい味わいが心に染みたな、とか
『うひゃひゃひゃ』って笑う
可愛い笑顔とか
沈む夕日を見つめる綺麗な横顔とか
「なんだよ、俺…どうしちゃったんだろ、」
気付くと、俺の心の大部分を相葉くんが占めていて
なんなんだよ、この気持ちは…
相葉くんだって仕事でやったことなのに
なんでこんなにアイツのことばっか考えちゃうんだよ…
ソファーに身体を投げ出して目を閉じると
『しょーちゃん♪ しょーちゃん♪』
相葉くんの俺を呼ぶ声とそれに付随する笑顔が
幾度となく俺の頭の中を掠めていった。