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誰も知らない。【気象系BL】

第1章 葛藤 × Red。 Vol.1


ロケは順調に進んだ。


貝尽くしにビーチバレー
SUMOチューブにサーフィン
温泉に相葉くん特製のパスタ。


そして

『見せたいものがある』と
車中からアイマスクをしたまま連れてこられたのは
絵ハガキみたいなパノラマの海とサンセット。

『気持ち悪いことしようぜ』
そう言って一つのイヤホンを二人で片方ずつ嵌めて
沈む夕日を見ながら『5x10』を聴いた。

相葉くんの息遣いで
アイツが泣きそうになってるのを感じて
俺まで熱いものが込み上げてきて。



落とし穴から見た花火は
すごく綺麗だった。




「OKでーす!」

全ての撮影が終了して
ロケバスに乗りこんだ時にはだいぶクタクタで

バスが動き出して程なくすると
隣りに座ってた相葉くんが俺の撫でた肩にもたれ掛かって
小さく寝息を立て始めた。



お疲れ様。
頑張ったな、相葉くん。
俺もすげー楽しかったよ。

これがプライベートだったら良かったのにな
名残惜しいよ。
帰りたくねぇ。

もっと、お前と二人で…。


そんなの願うはずもなく
同じように俺も目を閉じて


『今日はありがとう。』


心の中で呟いて
肩にもたれ掛かる相葉くんに
寄り添うようにして眠った。
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