第19章 アイドル探偵
「お前わかんねーの?
ホラ、縦読みしてみ?」
『松潤!』
『お前、なんなん』
『かず、酷ぇ(笑)』
『君たちうるさいよ!』
『にのひどいっ!』
『くたばれ馬鹿』
『わたしは神だ』
『れんチャンでそんなこという?!』
『ただの痴話喧嘩だな』
『よくやるなぁ』
松
お
か
君
に
く
わ
れ
た
よ
回りくどいよ!!
「まぁ、そーゆーわけだ。
ゴメンな?」
「べっ、別にいいよっ…
それにコレ、買ってきてくれたしっ…」
犯人探しにあれだけ息巻いてたクセに
そんなのもうどうでもよくて
俺って単純だな…
プイッとそっぽを向いて言ったけど
きっと松兄はそんな俺を見て微笑んでんだ
見えなくても分かる、大好きな人の優しい眼差し
一人じゃなんだから
紅茶を淹れて、二人で半分こして食べたケーキは
上品な甘さで
なんか、松兄みたい…