第19章 アイドル探偵
「…そうだ。ほら、コレやるよ」
押し付けるようにして渡されたのは
「ケーキだっ!」
なんてベストタイミング!
リビングに持って行って開けてみると
それは5号サイズのシンプルでオシャレなホールケーキで。
全体をチョコレートでコーティングしてある
こいうの…なんて言うんだっけか?
松潤にこないだ教わったんだ
確か… テンパなんちゃら。
「わざわざ買ってきてくれたの?」
「…まぁな」
ぶっきらぼうだけど、優しい
そういうトコも…好きだ。
「まぁ、その…詫びだ、詫び」
「詫び?」
俺、なんかされたっけ?って聞いたら
何も聞いてねーの?って逆に聞き返された
「楽屋にあったケーキ、お前の分だったの食っちまったからさ」
「え?! 犯人、松兄だったの?!」
「犯人とは人聞き悪いな
ちゃんと大野に言っといてくれって言ったぞ?」
「俺、なんも聞いてない!
…あ。でも、そう言えば、」
嵐のグループラインの、さっきの会話を松兄に見せた
「こんなラインのやり取りしたんだけどさ」
「んー?」
松兄がスマホの画面をじっと見つめる
「ふはっ。アイツ等、言い辛かっただけじゃねーか」
「なんのこと?」
俺にはサッパリわからない。