第1章 葛藤 × Red。 Vol.1
「あーっ! 翔さんが相葉さんのこと泣かせてる!」
「「ええっ?!」」
ニノ…お前、後で覚えてろよ?
「相葉くん、来て」
「しょーちゃ…!」
相葉くんの腕を無理矢理掴んで
『お先』
とだけ告げて
楽屋を後にした。
個人で充てがわれている方の楽屋に相葉くんを押し込んで
後ろ手に鍵をかける。
「あそこじゃ話せないだろ…」
「…」
ふうっ、と深呼吸をして
怖がらせないように
ゆっくりと口を開く。
「相葉くんは、本当にそれでいいの?
このまま居たって傷付くだけじゃないの?」
「わかってる…」
「だったら!」
突然の大声に
相葉くんが肩をビクッと震わせた。
「浮気する奴はどこまで行ったってするんだよ
信じるだけ無駄だ」
「…しょーちゃんには関係な……」
「あるよ!
大ありだよ!」
「え…?」
もう、言うしかないだろ。
ここまで来たら
怖いモンなんかねーよ。
「俺なら
お前のこと泣かせたりしない。」
驚いたように見開かれた相葉くんの目から
涙が一粒、零れ落ちた。