第18章 花見こたつ de
見慣れないその桜は、緋寒桜という名前なんだそうだ
琉球…沖縄の桜なんだって。
「季節先取りだね!」
「気に入っていただけましたか?」
「もちろんです!」
注文をする間もなく、料理が次々と運ばれてくる
…なかなかやるね、潤くん。
なるほどお花見コースと言うだけあって
メインの鍋の他にも、重箱仕様の器に美味そうな料理がズラリ。
「先ずは乾杯しよっか!」
「ん。」
「「カンパイ!」」
「ぷはぁー! ビールは美味いし桜は綺麗だし
最高だね、ニノ!」
「だね、」
笑顔いっぱいの相葉さんを見てたら
あー、コイツ楽しいんだな。って
嬉しいんだな。って
そしたらさ
くだらないヤキモチ妬いてた自分が急にアホらしくなってきて
俺もニコリと笑顔を返した
「ふふっ。
花見こたつだねぇ…」
中庭の桜がヒラヒラと舞う
「ごめんね?」
「だから、何が…」
「先に風ぽんと花見こたつしちゃって、」
「何言ってんの…」
「でも、でもっ!
あっちの桜はニセモノだったけど
こっちは本物だから、
こっちが本物の花見こたつだよ?!
だから、だからさっ…!」
相葉さんのあまりの必死ぶりに
「ぷはっ。」
思わず吹いた
「何で笑うのっ!
俺まだ何も言ってないのに!」
あなたが言い出しそうな事くらいわかるよ
相葉雅紀の事を一番良く知ってるのは
何を隠そうこの俺だからね?