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誰も知らない。【気象系BL】

第1章 葛藤 × Red。 Vol.1


「相葉くん…?」




相葉くんがビールを飲み干して
グシャリ、と缶を握り潰した。






「二股、かけられてるんだぁ…」



「……」




そーゆー人がいたことにもちょっとだけショックだったけど
何より
この相葉雅紀が二股かけられてるって事実にショックを受けた。
普段元気な相葉くんからは
そんな様子は少しも感じられなくて
努めて明るく振る舞ってたんだなって
胸が締め付けられる思いだった。



「嵐の相葉雅紀相手にそんなことするなんてさ
良い度胸してるよ!
そんな女はさ…」

「女の子じゃないんだ」



「え…?」



「男なの。俺の恋人。

しょーちゃん、引いた…?」




…マジで?




「しょーちゃん?」



「えっ?!」



「アイドル、なのに…どの道、こんなのダメだよね…」




「そんなことっ…ねぇよっ…」




相葉くんのその告白は
俺にとって衝撃的なものだった。
俺がこんな反応じゃダメだろって思ったけど
頭がついていかなかった。




「俺、別れるよ。
ちゃんと、ケジメつける」


「相葉くん…」





今、伝えたら卑怯だろうか。





「ごめんね!暗い雰囲気にさせちゃって。
飲もう、飲もう!」


「相葉くん!」


俺の声に
相葉くんの肩がビクン、と震えた。
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