第1章 葛藤 × Red。 Vol.1
「ビールでいい?」
「あっ、俺やるよ!
しょーちゃん着替えてきなよ?」
「ありがと。
適当に見繕っちゃって?」
― バタン ―
自室のドアを閉めると
一気に脱力する。
俺、相葉くんと二人だけの空間に
こんなに気ぃ張ってたんだ(笑)
気替えを終えてリビングに戻ると
「しょーちゃん、早く♪早く♪」
相葉くんに手招きされて
いそいそとソファーに座る。
「「カンパーイ!」」
目の前に
プライベートな相葉くんがいる。
しかも、二人きり。
「昨日のロケさ、ホント楽しかったよね!
あとは視聴者的にどうか、だよなぁ」
「俺らがあんだけ楽しめたんだから
視聴者だって楽しんで見てくれんじゃないかな?
相葉くんの一生懸命な所は
画面を通してもちゃんと伝わるよ」
「しょーちゃん…」
潤んだ瞳に、ドキリとする。
「でっ、でもさ
『恋バナしよう』は無いわぁ〜」
「あはは! あれはホントごめん!」
「相葉くんはさ、」
「うん?」
「居るの? そーゆー人」
「えっ…?
珍しいね、しょーちゃんがそんなこと聞くなんて」
「カメラ回ってる時に逆に聞けばよかった?」
「やめてよ!(笑)」
あひゃひゃと一笑いすると
突然瞳を曇らせた。
俺、なんかマズイこと聞いちゃった…?