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誰も知らない。【気象系BL】

第14章 Triangle


ワンショットの撮影を終えて楽屋に戻ると


「お疲れ、松潤」


そこに居たのは翔くんだけで。

なんだよ
一人だけ残ってるなんてさ…


「じゃあ俺、帰るわ」




俺にお疲れ様を言う為だけに残ってた訳…?
なんだよ
なんなんだよ

気が付けば
ドアに手を伸ばす翔くんの撫でた肩を掴んでいた


「この後仕事あんの?」

「いや、今日はこれで上がりだけど…」

「じゃあ付き合ってよ」

「へっ? 付き合うってどこに?」

「飲み…行こうよ」

「や、俺車だし…」

「じゃあ俺んちならいいでしょ?」


翔くんのドングリみたいな大きな瞳が
更に大きく見開いて。


「松潤は…いいの…?」

「俺が誘ってんだけど」

「そうだけど…」

「付き合ってくれんの? 断んの? どっち?」

「……付き合うよ」










恋敵の翔くんを家に招くなんて
何やってんだろ、俺


「やっぱ凄ぇなぁ、松潤は
綺麗にしてんなぁ」


物珍しそうに
翔くんが部屋をキョロキョロ見渡す


「翔くんちの実家、翔くんの部屋だけ倉庫みたいだったもんね」


懐かしい
もう十何年も前の話だ


「酷ぇなぁ
ま、ホントのことだけどさ」


ハハッと笑う翔くんに
俺もつられて笑った





…懐かしいな、この感じ。
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