第14章 Triangle
「頼むな、松潤」
背中越し
かけられた翔くんの声に聞こえないふりをした
まぁが翔くんを好きなことは一目瞭然だ
だだ漏れなのに、決定的な言葉にはしない
翔くんも翔くんで
そんなまぁの気持ちに気付いてるはずなのに
あくまでもメンバーとして接してるだけで
いっそのこと
告って玉粋してしまえばいい
そうすれば俺が癒してやるのに…
そんな腹黒い感情が渦を巻く
「………さん、松本さん」
「…へ?
あぁ…ごめん、ボーッとしちゃって」
打ち合わせ中そんな事ばかり考えてて
スタッフの声がまるで耳に入って来なかった
「ドラマにコンサートに、お疲れなんですよね
少し休憩しますか?」
「いや、大丈夫
続けて?」
集中力落ちてんな…
何やってんだ
しっかりしろ、俺。