第1章 最底辺だって、幸せは身近に
「え…?」
驚いてチョロ松を見たけど、そっぽ向いてた。
でも、頬が赤い。
「…嫌なら、しなくてもいいけど…」
その仕草が可愛くて、じっと見ちゃった。
「あーやっぱ嫌だよね。最底辺のクソニートで童貞のマフラーなんて!」
早口にそう言ってマフラーを隠すように引っ込めたチョロ松。
「え?!そんなこと思ってないよ!」
慌てて弁解すると、ちらりと振り返るチョロ松。
「今のちょっと、かっこいいなって思っちゃって…」
さり気なくマフラーを差し出してもらうって、憧れでもあるし。