第4章 『 』との出合い
子供は俺を見ながらふーんとかう~んとか呟いている。
「何で俺ををそんなに観察してるんだよ。面白いことなんてないだろ
それにあんたは誰なんだ?」
俺がそう言うと子供はニヤニヤしながら自己紹介を始めた。
「ごめんごめん、君のことが気になってさ。
僕の名前はテト、この世界の神様だよ」
そう言いながら笑う。
「そうか、俺のことは知ってると思うが一応自己紹介しておくよ。
俺は白山氷麗だ。
ちょっとだけ特殊な人間、こっちではイマニティだったか」
「うんよろしく‼
君は面白いね‼そこの二人に負けず劣らず。
まぁ、僕が来たのは君が気になったからでもう気がすんだし僕は帰るよ!
楽しみにしてるよ、そこの二人と共に僕にゲームを挑みに来るのをね」
テトはそれだけ言うといなくなった。
部屋には取り残された俺達だけがいて、静けさが辺りを包む。
少ししてステフが口を開いた。
「あ、…あの方が唯一神テト。
あの方にはゲームで勝てる気がしませんでしたわ」
ステフはその場に座り込んでいる。
俺はステフをそっと立たせ、近くの椅子に座らせる。
「アイツが神、ね
何か存在感以外はただのゲーム大好き少年みたいなやつだったな
それに空たちはアイツに会ったことがあるのか?
向こうは知っているようだったが」
俺は空たちを見ながら聞くとうなずいた。
それからこの世界に来た経緯を聞いた。
「要はアイツからゲームを挑まれて空たちはそのゲームに勝利、そしたらアイツにこっちの世界に連れてこられたと」
「あぁ、そうだ。
大方俺達にゲームで負けたのが悔しくてこっちの世界のルールで勝負して勝ちたいからこの世界に連れて来たんだろ」
そう言うと空は携帯をいじりだした。
(テトに勝った空達がいるのは強味だがこの世界のことが分からない以上気は抜けないな)
そう考えているとステフが話しかけてきた。
「氷麗、空、あなた方に言われた時間になりましたわ」
ステフに言われ俺たちはおもむろに立ち上がりその部屋を出ていく。
そしてたどり着いた場所は大きな扉の前であった。
中からは戴冠式が行われている。
「戴冠式を始める。このものに挑戦するものはおりませんかな?」
「それでは、いないようなのでこの者を」
そう告げたとき、飛びが開け放たれる。
「意義あり‼」