第8章 空白の時間
「ん、上出来…にしてもお前、本当にされんの好きになったよな?俺からすればいい事だが……ちょっとばかし可愛すぎやしねえか」
『!!…か、わいっ!?』
「あ?だってお前、俺以外にこんな事してねえだろうし。しかも今日なんかいつにも増して素直っつうか従順っつうか…」
『……ダメな子じゃないの?おかしくなっちゃって……いやらしい子なんじゃ、ないの?』
私の言葉に中也さんはハッとして目を見開く。
「誰かに言われたのか、それ?」
フルフルと首を横に振ると、中也さんははぁ、とため息をついて項をやわやわとさする。
それにやっぱり身体がビクリと反応してしまい、中也さんの胸にしがみついて声を大きく出さないよう耐える。
「何がいやらしいだ、そもそも女っつうもんはどこ触ってもそうなっちまうようになってんだよ…まあお前はちょっと他より敏感らしいから、する方からしてみれば可愛くて可愛くて仕方ねぇんだが」
『な、ッ…ぁっ……』
「それにな、お前がいうそのおかしくなったっていうの…俺からしたらそれも含めてまだまだ可愛らしいもんなんだぜ?それにいやらしいも何も、お前まだそこまでの事されてねえし、知らねえだろ」
中也さんの口から放たれたされてない、知らないという言葉にわけがわからなくなる。
『そ、こまでっ…って、んッ…』
「ほら、全然知らねえじゃねえか。つかお前がいやらしくなってようが、それはそれで全然構わねぇんだぜ?結局お前がそういう事されていい顔すんのは、俺に対してだけなんだからな」
普通に考えて頭がおかしいような台詞を当然のようにして言うこの人に、どうしようもなく恥ずかしくなって……どうしようもなく、嬉しくなった。
『…っあッ…!?ひ、ッぁ……ああっ』
項を触っていた手が背筋をなぞり始め、背中を仰け反らせる。
するとそれを予想していたのかのように、もう片方の手で服の上からやわやわと胸に触れられる。
「お前の言うおかしくなったもいやらしくなったも、俺から見れば全部等しく可愛くなったと同じなんだよ…大体こういう反応するって分かっててやってんだ。お前が感じやすいのも分かってっし、おかしくなっちまうように色々俺が仕込んでいってんだよ」
『仕込んでッ…んんっ…ッ!やっ、ダメ!!』
ドレスの肩紐をずらされて、胸を外に出される。
「…ほら、全然いやらしくなってなんかねえ」
