第27章 飢えて枯れてなくなった
「…澪さん、」
『……はぁ?何?何大人しくなってさん付けとかしてんの』
「「「えっ」」」
真子が行ったのを見届けて私に話しかける喜助さんに、率直にそう返した。
今思えば、良くも悪くも元凶は本当にこの人だ。
利用されたとはいえ、その過程で私を利用しなかったことに私は一番腹が立つ。
前言撤回、この人は…
「な、なななんて呼んだ方がいい?今…あ、あの…」
『へぇ、分かってんのに呼ばないって相当喧嘩売ってんだ?…安心してよ、今決めたわ。貴方は一生許してやんないから』
「!!!…ってことはあれ?もしかしてボク一生姫ちゃんに片想いしててもいいってことかな??」
『契約解除するぞ小僧』
「ごめんなさい紅姫様」
斬魄刀・紅姫としての本性には流石に逆らえないらしく、本気で謝られた。
…まあ、他を見ないってだけの忠誠を誓うくらいはさせてあげよう。
『ふん、次捨ておったら貴様捩摺の餌にしてくれるわ』
「えっ、俺食うなら美人がい『捩摺??』餌だな、ああ俺の餌。餌になるのが楽しみだナー!!」
「切り替え早ぇな…」
「あーもううちの姫ちゃんこれだから可愛いんすよね…でもいいの?その本性、他の人の前で見せちゃって」
指を指す“喜助”に促されてそちらを見ると、動揺している先生方…それと、中原中也、その人。
『……悠久の時を生きる“妾”を前に、この程度で音を上げるなら口を利く必要もあるまい。そこの人間、ご所望ならば妾自身でその命、供物としてやろうか』
喜助の杖から斬魄刀を引き抜き、改号無しで始解する。
それを首元にあてがってほほに手を添えると、青い目の彼は一言呟いた。
「____綺麗だ」
『…、己が選んだものが“何”であるかを思い知って、せいぜい悔やめ……逃げたいなら今のうちじゃぞ?妾の相手を続けようなど、これまで成し遂げた人間が存在しな…っ、む…、ン…ぅ…!?!!?』
塞がれる唇にが、私に触れるその手が心地いい。
まさか今来るとは思っていなくて、思わず相手にされるがままに押し倒され、相手の舌の侵入を許す。
「ち、ちちちちち中也さん!!!?」
「あらぁ…大胆っすねぇ、大好物っすよこういうの♪」
『ぁ、ふ…、んっぁ…、ハ…♡ぁ、んああぁ…ッッ、♡♡』
「…俺に妙な試し方すんのもお前らしい。かかってこいや、ヘロヘロのくせに」
『も、何…この人…ッ♡♡』