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第25章 収束への旅路


あれから時間が経って、蝶もよく仕事を一緒にするという刑事が現れ、事情聴取に。
蝶の居場所は江戸川が割り出してしまったので、そちらには国木田と一緒に他の刑事が向かったらしい。

「単刀直入に言おう…中也君、君が僕達に連絡するのが遅れていたら、もしかしたら間に合っていなかったかもしれない」

「…というと?」

「今頃向こうに先に向かった奴らが解決してくれている頃だろうとは思うけど…まあ、簡単な話さ。今回の件は探偵社絡みの因縁だろう…蝶ちゃんあの通り可愛いから、簡単にどうこうできると思ったんじゃない?」

恐らく、尋問…それもあの子が苦手な手法の。
それで探偵社の弱みかなにかを聞き出そうとされていたんだろう。

話によれば、今日こちらに出向いてきた面子で対処中だった犯罪グループが相手だったらしく、その中に異能持ちが二人。

片方は変装の能力…そしてもう片方が。

「…透明人間、ねぇ…なるほど、それで太宰さんが。……して、一応目撃者ということだが…あんた、蝶ちゃんとどういう間柄で?」

「「「えっ」」」

「旅館に泊まるだなんて、随分深い関係だろう?」

今か…今なのか、この刑事。

「白石蝶愛護団体の会員としては気になるところで…」

「…愛護団体の会員番号一番の者だ」

「!!なるほど、君がか!!…育ての親兼交際相手だな?」

「あ、ああ…」

「ちなみにご職業は…?」

「…あんた、蝶がえらく世話になってるんだってな」

俺の発した言葉にぎょっとした江戸川。
しかし、止められる様子がないことから、話しても大丈夫な相手であるということが伺えた。

「いや、むしろ世話になっているのはこちらの方で…」

「…俺の職が何であれ、あいつに罪はない…蝶への接し方を変えないのなら………他言しないのなら、話す」

「……何やら、あまり公には出来なさそうな言いぶりだな?…もしかして、ポートマフィアだったりでもするのか?」

「!…察しのいい刑事なことだな」

話によると、以前冗談で、蝶にポートマフィアなんかになったらどう思います?と聞かれたそうだ。

その場は笑って過ごしたそうだが、箕浦というこの刑事は、ポートマフィアの必要性をきちんと理解している人間らしい。

「…ここで捕まえるような真似はしないし、あの子に対する見方を変えるつもりもない。……とんだ世話好きなマフィアがいたもんだ」
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