• テキストサイズ

Replay

第25章 収束への旅路


俺の一言に顔をゆっくりと上げて、目を丸くして見つめてくる。

『ほ、んとに…?……いい、の?』

「もちろんだ…またお前のこと妬かせたら今度こそ俺が嫉妬で死ぬ」

『……明日、任務ないよね?首領、大事をとってお休みにしたよね??』

「…蝶ちゃん?」

太宰の声が動揺し始める。
恐らく俺よりあいつの方がこの状況を把握しきれてはいない。

「蝶、お前さっき疲れたって言ってなかったか?」

『気が変わったの…“ダメ…?”』

くっそあざとい…

よく分かってやがる、俺が一番苦手な交渉方法。

「…な?太宰…俺だけのせいじゃなかったろ?」

「………君が彼女に好かれすぎたのが原因なんじゃないの?」

「違ぇよ、こいつがそもそも俺に好かれすぎたからそうなる羽目になってんだ」

我ながら酷い暴論だが、嘘ではない。
順序的にはそうなのだから。

『太宰さんとばっかりおしゃべり?』

「野郎相手に妬いてたら世話ねぇぞ?俺と離れて生活出来ねぇだろそれ」

『…できないもん』

ぎゅう、と込められる力にハッとした。

そうだった、こいつ、こういうわがまま…この間異能にかかって、初めて口にしてくれたばっかりで。

「…幼稚園児みたいだな?」

『……嫌い?』

「いいや?寧ろ褒めてる…でも、幼稚園児には酒は飲ませられねえぞ?」

『じゃあ蝶が六歳になっちゃったら、もう女の子として見れないんだ?』

「………流石に六歳児にこんなことさせねえよ俺は」

『…そう』

少しだけ悲しげになる表情が、感情をこちらに伝えてくる。
…いや、でも流石にそこまで小さくなると無理にも程があるだろ、今だって本番前にどれだけほぐしてる事か…

もしも傷つきでもすれば一大事な上に、本人は馬鹿みたいに鍛えてる身体があるから感じていないのだろうが、本来普通の身体じゃあ体力だって相当削られるはず。

「つうか、そんなにちっさくなったらお前、恥ずかしがりすぎてキスもできなかったじゃねぇか?」

「あ、たしかに文化祭の時に持ってなかったもんね?」

『…』

「成長したら成長したで感度上がりすぎて、結局変身解けたしなぁ?」

「待って中也それいつの話?」

「あ?俺が幹部権限使ってテナントのホテルで調教し通した話が聞きたいのかよ?」

「気にはなるし物凄く羨ましいけど、これ以上聞いたら蝶ちゃんショートしちゃうからやめる」
/ 2703ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp