第25章 収束への旅路
「…ッ、……起きちまったのか?…っ、…抵抗、しねぇの?」
『ッ、!!…ぁ……、ふ、ぁ…♡…あ…♡』
頬に添えていた手で蝶の顎を上にあげさせ、舌を使って…まるで身体で交合うかのようにして、蝶の口内を犯していく。
少し彼女の口の端から垂れてしまう唾液を舌ですくって戻してやって…彼女の甘い甘い舌を捕まえて、逃がさないように吸い付いたりなんかして。
『っっ、!!!!?♡♡♡…ッ、ぁ…っ、あ…っっ、ぅ…!!?…!?♡♡』
俺がすべて奪い取ってしまって、不服なのだろう。
心底切なげな表情で、なんでと言うようにこちらを見る。
そんな蝶に、俺は意地が悪いので聞いてしまうのだ。
「………欲しいの?」
『…、…っ…は、…ぃ…ッ』
素直に答えるこいつもこいつだが。
頷いた蝶の下唇に指を添えると、それき従順に口を開ける。
「…欲しいんなら、舌出さなきゃいけないんじゃないか?…俺の指に重なるくらいには出してくれないと………いい子だ」
羞恥に涙を浮かべて、彼女は俺の言う通りに舌をのばす。
ちゃんと分かってる、蝶がとてつもなく恥ずかしさを感じていることくらい。
いつになっても慣れてなんてくれないんだから。
目を伏せて視線を外そうとする蝶の頭をちゃんと撫でてやり、自分の舌先を蝶のそれにあてがうと、彼女の舌がビク、と引っ込みかける。
しかし、必死に呼吸を整わせながら、瞼を閉じて俺からそれを享受しようと…身体も舌も震わせながら、しかし無力だというように、俺に支配されてしまって。
『ッ…ン……、ん…ッ…』
お目当てのそれをようやく舌を伝わせて飲ませていくと、ゆっくりと蝶は、大切そうにそれを少しずつ飲んでいく。
飲んでいるうちにもその愛おしさに蝶の頬や額、それから瞼にも口付けを落としていくと、それさえもが彼女の身体を震わせて…悦ばせているようだった。
「……全部、飲んだか?」
『ぁ、ッ…は、ぁ…い…♡』
「偉いなぁ…目ぇ覚まして、いきなりこんなことされてたのに……感じちまったのか?」
『…っ、……中也さん、だった…から…』
「…全く同じこと言ってんじゃねえっつの……蝶、体温は?それでなくとも調子は…」
一瞬頭が回らなかったのかぼうっとして俺を見つめていたが、しかし思い出したというように彼女はあ、と口にする。
『……寒、く…ない…?』