第24章 繋がること
『も、…っ…れ、っらい…ゆるさな…ッ』
「好きの間違いだろ、いい加減に認めやがれ…昨日の蝶はもっと素直だったのになァ?」
必死に息を吸いながら、まだ敏感になりきっているのがおさまらないのか、身体の震えが止まらない蝶。
しかし昨日とは違い、キスだけではまだ素直になりきらないそうな。
『!!!…そ、なこと…言わ、ない…れ…っ、……わ、たし…らって…ちゅうやさん、好きなんらか…ッ』
「あーわかってるわかってる、わかってるから泣くなよ…自分に嫉妬すんなって、煽りすぎたのは謝るから」
よしよしと撫でて宥めてやれば、糸が切れたようにして腕を回して離れなくなった。
よしきた、蝶さん正直タイム。
待ってました。
『ちゅ、やさんが…きん、しって……ダメって言った、のにっ…我慢してたの、に…!』
「だってそれでお前が期限損るだろうなって分かってたしな」
『…っ、寂しかったの…!!ちゅうやさんのばか…っ、ばかぁ…!!』
「いやあ、可愛かったぜ?蝶…そうか、そんなに寂しかったか……他には?」
ピク、と一瞬固まってから、俺の胸に顔を埋めて腰に回した腕に力が入る。
たまらないなこの感じ…本当、どこまで俺を好きにさせれば気が済むんだか。
『……ちゅうなしなのやだ…ぎゅってするのも……手繋ぐのも撫で撫でするのもいるの。…義務』
「俺の義務?毎日しないとどうなっちまうんだよお前」
『ちゅうやさん不足して死んじゃいそうだったの今日…』
「…お前ほんとに強がるよな?不機嫌にみせずに素直に甘えに来たら良かったのに」
『キス禁止なのにそんなのしたら我慢出来ない。余計に死んじゃう』
「そりゃあ救いようがねえな…けど蝶?考えてみろよ、俺がお前から素直に甘えて駄々こねられて、我慢できる人間に見えるか?」
そう言い放った瞬間に、蝶が静止した。
それからしばらく間をおいてゆっくりと顔を上に上げ、丸くした目を俺に向けてくる。
純粋無垢な眼差しが多少は残っていた俺の罪悪感を刺激した。
「…気づかなかったんだな?そうか、そうだな、本っ当にいい子だよお前……申し訳なくなるくらいに」
『……次したら蝶、一日太宰さんの言いなりになって生活するから。中也さんのこと一日本気で許さないから』
「次から先にネタバレするよ、お前が気付いてなさそうなら……だからその本気の眼差しを向けないでくれ…」