第24章 繋がること
「学校は?どうする?」
『…お休みはさんで来週から行きたい』
「本音を言うと?」
『~~~っ…、…中也さんとこいたい…ッ』
「よく言えました…けどお前、よくそれで昨日まで学校通えてたな?保育園児なら泣き喚いてでも離れようとなんかしねえのに」
『私がそれしたら学校なんか行かなくていいって言うと思って…』
「違いねぇ」
よく分かってるじゃないか、だてに俺から寵愛を受け続けてはないな。
よく出来た子供だ本当に、多分俺よりしっかりしてる。
けどまあ、園児並みのわがまま言って離れたくないって言ってくれても、誰も怒らないのにと考えてしまう。
「…依頼が関係してなかったら、たまにはそんな理由で休めてたか?」
『!!…中也さんに言われ、なきゃ…できなかった。……そんな理由で休むなんて考え、無かった』
学校なんてものと深い縁がなかった蝶からしてみれば、それこそ“知らなかった”話なのだろうか。
「お前根っから真面目だからサボるなんて言葉も知らなかったんじゃねえの?」
『流石に知ってる、バカにしないで』
「してねえよ、褒めてんだから。それに思い出してみろ…サボったところで組織で生き続けてた馬鹿野郎がいるだろ?」
『………太ざ「よしいい子だ、そこまでにしよう」…』
「…人生そんなもんなんだよ。張り詰め続けてたって緩みきってたって、どの道等しく時間は過ぎてくんだ…それなら、多少詰め込まずにゆっくりする時があったっていいだろ?」
年中緩みきってる論外な野郎もいるにはいるがな。
誰のことを指すのかはとっくにバレてしまっているため、割愛した。
『…知ってる?私ね、サボり魔だったの…流石に大事だと思うことはしてたけど、それでもちゃんとお仕事しようって思ったのなんか久しぶりなの』
「お前が?そりゃ初耳だな」
『期待されない方が楽だったから』
仕事の能力に関してだけじゃない。
人間的な面も含めて、感心されるのさえ辛かった。
人に関わろうとされたくなんてなかった…呆れられてしまった方が、楽だった。
まだまだ年端もいかない容姿の少女から放たれた言葉は、深く俺の胸に響いてくる。
「…裏を返せば死ぬほど俺にいいとこ見せたかったってことになるって気付いてるかお前?」
『……そう、言ってるの…分かりませんか?』
「何だそれ…、本当可愛い奴…」